書籍紹介

「ライアの祈り」森沢明夫(著)あらすじと感想

※当サイトは、アフィリエイト広告を掲載しています。

森沢明夫さんの「エミリの小さな包丁」が心に刺さった私。

多分、他のどの作品も私好みの内容が描かれている気がしたので、青森三部作と言われる中から2冊読んでみました。

“津軽百年食堂 → 青森ドロップキッカーズ → ライアの祈り”の順番が正しい読み方なのですが、私は”津軽百年食堂 → ライアの祈り”の順番で読みました。

にもかかわらず、先にライアの祈りのレビューを書いていきたいと思います。

「エミリの小さな包丁」森沢明夫(著)あらすじと感想
kindleで相方オススメの「さいはての彼女」を探していたら、一緒にこの本が紹介されていました。 紹介文を見ていたら私好みの内容でした。 早速読んでみると、とても良かったのでこの本を紹介したいと思います。 あらすじ ...
スポンサーリンク

あらすじ

縄文時代から豊穣な土地として営みが続けられてきた青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、35歳で恋に臆病になっている。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。古代の人々の、豊かで人間愛に満ちた暮らしを知るうちに、背負ってきた様々な呪縛から解き放たれていく。不器用な二人の思いは成就するのか……。縄文と現代、時を隔てながらも進んでゆく2つの感動物語。

「Amazon」より

主な登場人物

現代の人々

  • 大森桃子・・・八戸のメガネ店に勤める35歳のバツイチ。明るくサッパリとした姉御肌の女性。離婚原因となったある理由で恋愛に憶病になっている。五郎曰く縄文美人らしい。
  • 佐久間五郎・・・桃子のマンション近くに住む考古学者。40歳独身。銀縁メガネに無精髭、ずんぐりした熊みたいな体形をしているが、穏やかで思いやりがある人。縄文時代の話をしだすと熱くなる。通称クマゴロウ。
  • ・・・桃子が務めるメガネ店の従業員。24歳独身。明るくて可愛く桁外れにキュート。桃子のことを慕っている。
  • マスター・・・「サンダー・バー」のバーテン。寡黙でバーテンダーとしての腕は確か。お客の邪魔にならないよう自分の存在を消しているが、こっそり客の話を聞いていて、時折元気づけの1杯をご馳走してくれることも。
  • 七海・・・桃子の義妹。現在妊娠七ヶ月。
  • お母さん・・・桃子の母。おしゃべりで明るい働き者。桃子の心の内を受け止めて、桃子の後押しをしてくれる。

縄文時代の人々

  • ライア・・・自分のことをボクと言う13歳の少女。幼いころに両親を亡くし、村の族長テレマンに育てられる。弓矢が得意。
  • マウル・・・ライアと同じく孤児。ライアと一緒にテレマンに育てられた。
  • サラ・・・ライアの隣家に住む幼馴染みの女の子。
  • テレマン・・・村の族長。孤児だったライアとマウルを育てた賢人。三人の妻と九人の子がいるが、自分の子と同じようにライアとマウルに愛情を注ぎ、2人の成長を温かく見守っている。
  • ラファー・・・ライアの父親。生命力を司る天才的シャーマン。
  • バイバル・・・ラファーの親友で敏腕彫り師。サラの父親。
  • レイ・・・幼いころからライアとサラを可愛がってくれた、隣村に住む年上のお姉さん。
  • ギン・・・赤目・白い毛並みの犬。ライアの友達で狩りの相棒。

感想

ライアの祈りを一言で説明するならば、時代を超えて結ばれた大人の純愛物語です。

この物語の登場人物すべてが、私には足りない「優しさの塊」でできているのは間違いないと思いました(笑)。

桃子はライアの生まれ変わり、五郎はマウルの生まれ変わりであり、二人のキューピットになる桜はサラの生まれ変わりだったのではないでしょうか(サラよりはキャピキャピしていますが)。

北の聖地に嫁いだサラの願いは、ライアとマウルが結ばれること、北の聖地から戻ってくることでした。サラの願いがその当時に叶ったかどうかは知る由もありませんが、現世で桃子と五郎が結ばれたことから、ここでやっとサラの願いが報われたのだと思います。

作中の「土偶、猪の牙、ミサンガ」の伏線が回収されたのも、ハッピーエンドの要素として、とても良かったです、

ちなみに、私がとても感銘を受けたのは、五郎と族長の2つのセリフでした。

「そもそも自分が幸せになるための最低条件って、大切な人が幸せでいてくれることですからね」

「私たちは人に喜ばれるために生まれてきた。この世の森羅万象において、他社に喜ばれることを自分の喜びと感じられるのは人間だけだ。神はそういう風に人間を創ったのだ。だからお前のいちばんの喜びは、他社から「ありがとう」という言葉をもらうことだ。」

この文章を読んだとき、初詣で立てた誓いに通じるものがあると感じました(意味合いはちょっと遠いかもしれませんが・・・)。

人間本来の心の在り方、自分に足りなかったものを気づかせてくれた素敵な1冊だったので、落ち込んだり最近ツイてないなと思う人にはぜひ読んでほしいと思います。